小津安二郎生誕100年記念というのにひかれ、観たいなとずっと思っていたのです。
侯孝賢監督の作品では「恋恋風塵」を観ています。「悲情城市 [DVD]」も観なければと思っているのですがまだ観ていません。小津安二郎では「晩春」を観ています。「東京物語」はリメイクドラマで観たのですがオリジナルはまだ観ていません。リメイクドラマで大泣きした私なので笠智衆さん演じる父親では辛すぎて観ていられないのでは...などと思います。
定点撮影で台詞もシンプルで、日本、東京が舞台なのに、どこかのアジアの国の町、都市で撮られたものではないかという錯覚に陥いりました。それだけ新鮮でこの風景の中で私も生活し、暮らしているのだと思うと心地よく、幸せな気分になってきました。主人公の一青窈もはまっていて、鉄道マニアの浅野忠信もいい味を出していました。
間が良いというか、ゆっくりと流れていく時間、せわしなく走り回る電車と対照的で今まで忘れていたこの「間」というものを自分の中に取り込まなければ、取り戻さなければと思いました。
何気ないこの日常がこんなにも素敵なのだと改めて思わされた映画でした。