(たいへんだよ、たいへんな事が起きたよ)
とブルーが息せき切って猛スピードでキッチンに駆け込んできました。
「どうしたの?なんかあったの?」
私のふくらはぎをカリカリと引っ掻き続けます。
(とにかくたいへんなの。抱っこして、抱っこ、抱っこ!!)
と後ろ足でどんどんと音を鳴らしながら小さなジャンプを何度も繰り返します。
「大丈夫だよ...一緒にいるでしょ」
とひょいと持ち上げ、抱っこします。
リビングの窓からは今にも何か不吉な事が起こりそうな大きな黒い雲の固まりが押し寄せてくるのが見てとれました。
あー、なるほどね。どうやらピカリと空が光ったのを目撃してしまったらしいのです。
雷鳴は全く聞こえないのですが...。
「雷鳴ってないでしょ?大丈夫だよ」
抱っこしながら背中を軽くさすってみますが、全く落ち着く気配がありません。
それどころか、パニック状態が悪化するばかり...。
(どうしょう、どうしょう...どこか逃げた方がいいよ)
ブルーの体は興奮で熱を帯びてきました。
「じゃあ、寝室に行ってちょっと横になる?」
体にピッタリとくっついてベッドへ運ばれて行くお嬢さまブルー。
ベッドの上に寝かせると、羽毛布団の心地よさかいつものブルーに少しずつ戻っていきます。
かわいいというか...なんというか、私は思わず笑い出してしまいました。
(笑いごとじゃないよ!ぷんぷん.....)