My diary

私の刺繍の作品の紹介、日々の出来事を綴っています

風立ちぬを観る


風立ちぬ」を観てきました。

緑多き牧歌的な景色の素晴らしいこと。
でも美しい風景は悲しみを増幅させ、心をより辛くさせますね。


そんな日本の原風景が二郎の飛行機への情熱をくっきりと際立たせるのでこちらにひしひしと伝わってきます。


時には静かに時には激しく吹く風と高々と湧き出る大きな雲が大空を雄大に舞う飛行機を美しく、ダイナミックに見せ、人間の繊細な心情をも教えてくれます。



短き命、二郎と過ごすことを望む菜穂子、それを尊重する二郎。
一日の内少しの時間しか一緒にいられなくてもほのかな灯りに包まれながら二人の心は解け合っていきます。


二郎に手を振り見送る菜穂子の表情、立ち姿は「最後の別れ」を感じさせ、
黒川家から足早に出ていき、車窓から景色を眺めている菜穂子の姿には涙がこぼれ落ちてきます。


自分の設計した零戦が、自分の夢の結晶が人の命とともに散っていく虚しさ、悲しさはいかばりか。抜け殻状態の二郎。
それでも前に進まなければならず生きていかなければならないのです。



ただ美しい曲線を持った飛行機に憧れ、真っ青な青空の中を颯爽と鳥のごとく飛んでいく飛行機に憧れ...でもそれは時代、人々達、世間によってねじ曲げられ、異種なものに変化していってしまうのです。


私はふと今現代に目を向けてみました。
薄型で手の平サイズのスマートフォン

どこにいても世界中と繋がっていてリアルタイムな情報を瞬時に得ることができる画期的なもの。初めてこの世に現れた時の喜びは計り知れませんでしたが、でも今は人間をダメにしてしまっているのでは...と危惧しています。


「夢は狂気をはらむ」「美しすぎるものへの憧れは人生の罠でもある」という宮崎駿さんの言葉。考えさせられました。


それにしてもユーミンの「ひこうき雲」はまりすぎです。
抑えていた感情が一気に吹き出してしまいました。
映画のすべてを代弁してくれるかのようなくどくないシンプルな詞と柔らかなメロディー。
いいですね...。