刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。


<出展のお知らせ> 4/18〜4/23 ベラドンナ・アート展(東京都美術館 1階第4展示室)

「もっと知りたいモードの帝王 イヴ・サンローラン」という講座へ

昨日池袋コミュニティカレッジで行われた「もっと知りたいモードの帝王 イヴ・サンローラン」という講座へ行ってきました。

講師は服飾史家&エッセイストで明治大学国際日本学部特任教授の中野香織先生です。

映画「イヴ・サンローラン」がもう間もなく公開されますが、全くと言っていいほど知識がないので(笑)、事前に勉強しておこうと思い参加しました。

サンローランはマラケシュに別荘を持ち、色彩感覚はマラケシュの色彩にインスパイアされたのではないかと言われているそうです。

公私ともに彼を支えてきたパートナーであるピエール・ベルジェ氏の存在の大きさを改めて実感しました。天才と言われ成功している方々には必ず良き理解者がいますよね。
ピエール・ベルジェ氏の包容力と愛は本当に計り知れぬものがあります。

たくさんお話を聞いてきたのに、この一点が私の心すべてを鷲掴みにし、彼の人生の最大の宝ではないかと思ってしまうほどです。

ピエール・ベルジュ氏はサンローラン亡き後、二人で収拾してきた美術品をすべてオークションで売ってしまったそうです。一人で見るのは寂しいということで...。



後にミニスカートを流行させることになるトラペーズライン、サファリルック、当時革新的だったタキシードルック、抽象画のモンドリアンにインスパイアされて作ったモンドリアンルック、香水Opiumはチャイナコレクションと共に発表されたそうですが、日本の武士が持っていた印籠の形をモデルにした瓶だそうです。

またサンローランは「美しいから使う」という考えの持ち主で初めて有色人種のモデルを起用したそうで、起用されて一躍脚光を浴びることになったナオミ・キャンベルは今でも感謝しているそうです。

女性の生き方を変えたデザイナーが3人いると言われているそうで、自由、解放を与えたココ・シャネル、パワーをもたらしたイヴ・サンローラン、威厳を与えたジョルジオ・アルマーニ。

このような歴史を知って、あらためて彼らのお洋服を着てみたい...そう思いました。
女性の憧れですよね...。

そういえば、ココ・シャネルですが、ナチスのスパイだったというお話とともに、戦後はスパイだった女性は髪を切られ市中引き回しの刑だったらしいのですが、シャネルはウィンストン・ チャーチルと親しかったため逃れたとのこと(Wikiにも掲載)。

脚光を浴びて富も名誉もお持ちの著名な方々は「正負の法則」ではないけれど...波瀾万丈の人生送られてますよね。普通の平穏な人生が良いのか、波瀾万丈でアップダウンの激しい人生が良いのか...。



ちなみに中野先生から面白いお話を伺いました。

レディー・ガガでおなじみのヒールレスシューズのデザイナー舘鼻氏ですが、芸大を卒業して自分でチャンスを掴まなくてはと100通ものメールを世界中に送り、その内3通返信がきてその内の1通がガガのスタイリストさんだったそうです。

運は自分で掴まなくては...ですね。

1時間半という短い時間ではありましたが大変勉強になり、映画を観るのが楽しみになりました。