先週、今週と映画を観てきました(ネタバレありです、まだご覧になっていない方はご注意下さい)。
「シン・ゴジラ」と「君の名は。」。
前者はエヴァンゲリオンの庵野さんが監督の作品です。
エヴァンゲリオンは大好きで観ていたのですが、ゴジラにあまり興味なくて(笑)、でもあまりにも評判が良いので観てきました。
湾岸での事故、海底に何かいる、尻尾が映し出され...と恐怖感が徐々に高まって、その後地上に上がり這って歩く最初のゴジラの登場シーンはとてもインパクトがあり、不気味な瞳の異様さにおののきました。
昔のゴジラとは比べものにならない質感、迫力と描写...。
実際こうであろうと思われる危機管理能力、行動力のないマニュアル一辺倒の政治家たち、官僚と政治家の噛み合わないやり取り、無邪気に元気に(私にはそう見えてしまった)歩いているゴジラとの対比がとても面白かったです。
人間が生み出してしまった生き物。
ただ海から上がって歩きたかった、歩きたい場所にたまたま別の生物(人間)が住んでいて建物があっただけ、自分を傷つけ攻撃したから反撃しただけ...なんですよね。かわいそうになってしまい、ふと「フランケンシュタイン」を思い出してしまいました。
後者の「君の名は。」は新海誠さんの作品です。
瀧と三葉の心と身体が入れ替わる、隕石が落ちるというこの2つの情報だけにして後はシャットアウトして観に行ってきました。
泣くこともないだろうし...ハンカチ1枚でいいかなと思って観に行く時に限って泣いてしまうのです(笑)
ストーリー、脚本はともかくとして、大切な思い出の何かを忘れてしまう、欠片だけたくさんあってでも抜け落ちているものがある、でもそれらを探すことができない、思い出すことができない、記憶を完璧にすることができないそんな時の焦燥感、喪失感が伝わってきて心情が切なくて、身を切られるような感覚それが悲しかったです。
今までの人生で出逢ってきた方々(浅い深い関係なく)とは何かご縁がある方、昔々何かで繋がっていた方、結ばれていた方なのかもしれない…と思うと大切な存在となり思い出となり、愛おしくなり、嬉しくなりました。
スマホで、LINEで、メールでいつでもどこでも繋がって捕まって…私達は一瞬一瞬の時間を疎かに扱うようになってしまっているなとそう思いました。
その瞬間は二度と来ない時間…なんですよね。
出逢った人が今そばにいる人がずっとこれからも居続けてくれるとは限らない…そんなことを思い涙しました。
「君の名は。」の聖地となっている四ツ谷の須賀神社の階段、ほとぼりが冷めた頃、平日の午後ふらっと行ってみようと思います。
静かな空気と時間を感じたいです。
追記)この映画を見て思い出したことが一つ。
3.11の当日の明け方、私は夢をみました。
亡くなった愛犬ブルーが出てきてぐるぐる興奮してパニック状態で回っているのです。
寝室のドアを塞ぐようにして回っていて、
夢の中で私達夫婦が会社へ行こうとしているのを邪魔しているのです。
何かを訴えるかのようにキャンキャン言っていたのです。
起きて、朝食を食べながら「こんな夢みたよ」と私は夫に言いました。
その後、私達は会社へ。
地震が発生して...ああ伝えたかったことはこのことだったのかと...。
ブルーにありがとうを何度も何度も心の中で言いました。