刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。

ヘルシンキ&ストックホルム2日目

ホテル・リンナの朝食は地下にあるレストランで。階段を降りていくと薄暗い空間。
キャンドルだけ?の最小限の明かりで朝からなんともロマンチックな雰囲気です。
しんと静まりかえっていておまけにスタッフが誰一人としていません。一瞬間違えてしまったかと思ったほどです。それでも調理場に面したカウンターには温かなオムレツ、ソーセージ、パン、果物、お野菜、ハム、チーズが並び、ヨーグルト、フレーク、オートミール、ジュース各種、コーヒーとすべて完璧に揃っていました。

ふと思い出したジャン・コクトーの映画「美女と野獣」のワンシーン。
誰もいないのですが明かりが灯され、すべて完璧に整えられ「歓迎しています」といった雰囲気は満ち満ちていているので、こちら側ももてなしを受けているのだという気持ちにさせてくれます。

私達はテーブルの上のキャンドルの灯に包まれながらの朝食です。私は大変気に入りました(笑)気を使う事なく、なんだか妙にリラックスでき不思議な朝食です。いないと思っていたスタッフが一人お料理をチェックしに来ましたがまた奥に引っ込んでしまいました。

今日はマイスオミさんの「かもめ食堂ツアー」です。出発前にネットで申し込んでおいたもので、マイスオミさんのツアーは充実していてどれも申し込みたくなるような企画のものばかり。今回は上記のツアーと明日の「スオメンリンナピクニック」を申し込みました。


今日の予定は朝からマイスオミさんの「かもめ食堂ツアー」。事前にネットで予約をしておきました。
ガイドさんはHennaさん。日本の留学経験ありで日本語がペラペラです。
「かもめ食堂ツアー」はヌークシオ国立公園、アラビアファクトリーショップ、トラムに乗ってかもめ食堂でランチという内容です。
まずワゴンでヌークシオ国立公園へ。ヘルシンキから車で40分くらいの場所にあります。
フィンランド人はほとんどの方が別荘を持っていてヴァカンスには別荘で過ごす人が多いそうです。

ヌークシオ国立公園のマークはモモンガ。
私達はHaukkalampi(ハウカランピ)ハイキングコースを歩くことになりました。2k、4k、7.5kとコースが3つあります。
「かもめ食堂」のポスターの撮影場所に行ったのですが美しい風景に息をのみました。

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こちらは映画「かもめ食堂」のスタッフの方がランチをしていた場所だそうです。
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この場所に自分が存在することの喜びと感謝の気持ちが一気に溢れて、ただただ呆然と立ち尽くすばかり。水面にはコウホネというスイレン科の植物が黄色いお花を咲かせていました。

ヌークシオ国立公園はフィンランド人のピクニックの場所でもあるらしいです。
足元にはベリーの葉っぱがたくさん生い茂っていて収穫時期になると皆こぞって積みに訪れるそうです。
秋にはきのこ狩りも楽しめるらしいです。誰でも自由に取ってもよいとのこと。
皆それぞれの御家庭では自分達だけのきのこ狩りの秘密のエリアがあるらしく、それは誰にも内緒で家族だけに代々受け継がれていくとか。
きのこスープがおいしいので滞在中にぜひとHennaさんにすすめられました。

焚き火をする場所まで鳥の鳴き声を聞きながら、足元のお花を愛でながら頭上にそびえ立つ樹木に敬意を払いながらてくてく歩きます。
準備ができるまで私達は周囲をお散歩することに。どこをどう見ても、どの角度から見てもどれ一つとして同じ景色がなく、いろいろな表情を見せてくれます。私達人間が決して乱してはならない、空気、空間がそこにあります。


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焚き火にあたりながら温かいコーヒーとシナモンロールを頂きました。
もっちりしたシナモンロールがおいしかったです。
夏といっても森の中、ジャケットが必要なくらい涼しいです。
焚き火の温かさがちょうどよくぬくぬくしながら、おいしい空気をいっぱい吸い込みながらのお茶タイム。

薪の小屋があり、誰でも自由に使用してよく、近くではテントをはってキャンプをしているファミリーの姿もありました。

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お茶の時間を終えるとマリメッコの紙コップ、紙皿を焚き火の中で燃やして処分。ゴミを出さないようにということだそうです。


こちらは季節はずれの大きなキノコ。でも毒キノコらしいです。
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Hennaさんとお散歩を楽しんだ後、アラビアファクトリーショップへ。

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アウトレット価格、B級品価格、特別セールと3種類のお値段があります。色合いの綺麗なお皿を見ているとあれもこれも欲しくなりますが、次にストックホルムが控えていることもあってイッタラのマグカップ、カトラリー、テーブルクロスなど小さめのものを購入しました。

その後、トラムに乗り一路カハヴィラ・スオミ(かもめ食堂)へ向かいました。

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カハヴィラ・スオミは2時頃到着したのですが満席の大盛況。地元の方、日本の方でおおにぎわいです。
私達は少々待つことになりました。Hennaさんが日本語のランチメニューを持ってきて下さり、いくつかセットメニューがある中ベジタリアンランチにし、付け合わせのポテトは茹でたポテト、炒めたポテト、フライドポテト、マッシュポテトから選べるようになっていて私はマッシュポテトに。
私の前に現れたのはお肉抜きのピュッティパンナ。

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オーナーの奥様がHennaさんを通じ、シナモンロールをプレゼントしてくださいました。
真っ白なお皿にシナモンロールが3つ。奥様の優しさに感動しながらもとてもお腹に入れることはできないので、紙ナプキンにそっと包み、ホテルのお部屋で食べることにしました。ありがとうございます!!

Hennaさんからツアー参加者にということで木製のバターナイフを頂きました。
「かもめ食堂ツアー」はここで解散です。私達はそこから徒歩でテンペリアウキオ教会、ポストミュージアム(ムーミン、マリメッコなどの郵便グッズなど販売)へ行きました。
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テンペリアウキオ教会は岩を生かしながら造られ、中に入るとはめ込まれたガラス窓からほどよい柔らかな光が降り注ぎとても落ち着きます。
音響効果が高いということでパイプオルガンもありました。Hennaさんがおしゃっていたのですがこの教会、当時はモダンすぎて周囲に馴染まないとあまり受け入れられなかったらしいです。
今では賞賛されているのに...時代が追い付いていかなかったのでしょうか。席に座ってしばし瞑想しました。


お夕飯はフィッシュマーケットで。