刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。


<出展のお知らせ> 4/18〜4/23 ベラドンナ・アート展(東京都美術館 1階第4展示室)

「アメイジング・グレイス」を観る

やっと観に行くことができた映画「アメイジング・グレイス」。

先月行く予定だったのですが、地震で伸び伸びになっていたのです。


この映画を知るまではリンカーンの奴隷解放宣言ぐらいしか頭にはなく、それよりも前にイギリスで法が成立していたとは全く知りませんでした。
奴隷船の船長だったジョン・ニュートンが作詞したという賛美歌「アメイジング・グレイス」の意味も...。
聴いているだけで涙が自然と出てしまうのは、ジョン・ニュートンの懺悔の思いがそれだけ強く込められているから、音に魂が宿っているからなのかもしれません。


予想以上に素晴らしい映画でした。
今のこの状況だからこそより一層心に響いてくるのでしょう。

奴隷廃止運動に生涯を捧げたウィリアム・ウィルバーフォース...奴隷を使用して私腹を肥やす政治家達に立ち向かい、運動家と連携し、民衆の協力とともに奔走する情熱、行動力には本当に頭が下がります。それに加え信仰深く、動物を愛してやまない優しい人柄...。このような政治家が実在していたというから驚きです。

法案を提出、却下、提出、却下の繰り返しながらも諦めず投げ出さずに続けていき、妻、友人たち、そしてジョン・ニュートンに支えられながらすべてを結集して実らせた奴隷貿易廃止法案。そこから奴隷制廃止法(彼の死後)へと繋がっていきます。


民衆39万人の署名...このシーンを観た時、私も何かしなければ、私達一人一人が動き出したらそれがまとまって大きな力、数となり何かを変えることができるかもしれないとそう思わされました。まさしくタイムリーな映画です。
口コミで広がり、上映劇場数が増えていくと良いなと思います。



日本にも彼のような政治家がいたらと思うのですが...。
世界を牛耳る組織に立ち向かうこと、歯向かうことができず操られ、政界の中を右往左往しながら自分の場所を確立することしかできない政治家を見るにつけ、夢や希望を彼らに抱くことが全くできません。
本当に何かしたいと思う人は国会議員を辞めて、国ではない地方行政の方へシフトしてしまうのかもしれないですね。



それにしてもウィリアム・ウィルバーフォース役のヨアン・グリフィズ氏が「ファンタスティック・フォー」に出演していたとはびっくりです。
観ていたのですが、全く気づきませんでした。
断然この映画の役の方が彼にしっくりきてはまっていると思います。
私はすっかりファンになってしまいました(笑)


やっぱり私はイギリス人俳優が好きですね(笑)