METライブビューイング<テンペスト>を観てきました。
嵐とともにぐるぐる激しく回るシャンデリア、落下しそうで落下しない紙一重さが不安を募らせます。
不吉なことが起こる...という予感を抱かせるのです。
プロスペローの積もり積もったどす黒い復讐が重く、暗く気分を滅入らせますが、アリエルが現れるとひとすじの光が射したかのような感じになり、少しほっとした気分にさせてくれます。
プロスペローの命を受けて、いろいろな事をさせられますが根は優しいのでは...と思わせてくれるのです。
オードリー・ルーナの発する高音が「人間」を感じさせないまさしく「妖精」にぴったりの声音で、生き生きとしなやかに動き回るアリエルがとてもよかったです。
島の住人カリバンの野蛮さは受け入れられないものがありますが(笑)、時々ふと垣間見える侘しさ、孤独さが伝わってきてちょっと切ない気持ちになりました。
魔法を使って、アリエルの自由を奪って、拘束して「復讐」を続けるプロスペロー。
忌み嫌う憎き弟と同じ穴の狢なのでは?と思ってしまいます。
魔法の杖をばきっと折って自分の狂気から解放されて、その行き着く先は?
平穏な日々であること祈るばかりです。
次は何を観ようかな...。
本当は全部観たいのですが...(笑)