刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。

モン・サン=ミシェルへ

前回の「パリ5日目」の続きです。
サン・マロから車でモンサンミッシェルへ。

現地ガイドの濵口謙司さんの書籍「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ」に掲載されているモンサンミッシェルの写真の数々に魅せられ、そのことをお伝えしましたら濱口さんが時々来て眺めているというお気に入りの場所を案内して下さいました。

私達以外誰もいない無音で静まり返った湿地帯近くから目の前にそびえているモンサンミッシェルをずっとずっと眺め続けていると心が洗われスッと軽くなり、邪念や汚れたものが浄化され消えていく心地よさを感じました。
そして自分の奥深くにある閉じられた扉が開け放たれ眠っていた何かを思い出す懐かしさみたいなものを感じ心が震えて涙が出てきました。
「大天使ミカエルの山」(Mon Saint Michel)ですものね。
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光の当たり方で表情が変わっていくのが面白いです。
羊が遠くに見えますがこの辺りは牧草地で羊が放牧されています。
大潮の時は海水で満たされるのですが塩に対して耐性がある草でそれを食べる子羊のお肉は臭みがなく柔らかいのだそうです。

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モンサンミッシェルは私達が存在する次元、世界とは違うところにあり、神秘的で歩いても歩いても遠のいていくような、近づいても決して本当の姿を見せないような頑なさを感じました。
昔のモンサンミッシェルは尖塔がなく平坦で尖っていなかったようです。
写真を見せていただきましたが今現在の尖塔がある方が風格が増し、何かが降臨したのではと思わされます。


モンサンミッシェルに行きたい!と思い始めたのは以前購入したこちらのジクレー版画を見てからです。
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その時まではあまり興味がなく、行きたいという気持ちにならなかったのですがこの版画に出会ってから不思議と魅了され、これと同じ風景を見たいと強く思うようになりました。

ちょっと距離は異なりますが現実となり本当に嬉しいです。