刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。


<出展のお知らせ> 4/18〜4/23 ベラドンナ・アート展(東京都美術館 1階第4展示室)

今年も一年ありがとうございました

2021年に製作した作品たちです。

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一つ一つの作品ごとに思いが異なり、その時自分が感じたことや夢中になっていたもの、インスピレーションを得た物などを糸やビーズで形にし表現しています。


真っ白な雲のお帽子は、雲のオブジェを見てふと頭に浮かんできたもので、雲と同化して心や夢を飛ばしていく様がイメージとして現れました。

ピンクのニット帽の女性は...桃色や桜色だったり淡いピンクだったり、フーシャピンクだったりと彼女の中から溢れ出る思いが花となり、帽子を染め上げていったら素敵だなと思って作りました。


夏の緑の葉に囲まれた女性「夏の名残り」は、実は私が昨年末から今年の夏までネットで夢中になって見ていた海外ドラマのオマージュ作品です。
現代と過去の時代とがリンクしていく様に惹かれ、生と死を繰り返し見せられることによって「限りある命の尊さと儚さ」と「生きることへの渇望」というものを感じさせてくれました。
そしてそこに登場する古き良き時代に存在していた情熱溢れる女性を作りたくなったのです。


夏の強い陽射し、海、ストローハット、優しい眼差しで見つめる女性。男性の心の中に存在する女性と残像、思い出。今どこかで幸せに暮らしている「あの頃の君」。
それが彼女です。


古いネウマ譜を手に入れて音の玉と音色に包まれた女性を作りたくなりました。
一つ一つの音から何色もの鮮やかな色が生まれ、それはメロディとなりどんどん広がっていきます。


笑顔は幸せを呼ぶと言われています。大声で笑ったり、コロコロ笑ったり、顔をくしゃくしゃにして笑ったり、ニッコリ笑ったり、微笑んだり。
常に微笑んでいるようなそんな彼女にお花とイチゴを添えました。


さて、来年はどんな女性を作ろうかな、自分は何を感じ、何に夢中になっているのだろうと未来の自分を想像しています。
確かなことは「一日一日を大切に一生懸命生きたい」と思う気持ちは決して変わらないということ。


皆様、今年も一年誠にありがとうございました。
私の作品を大好きと仰ってくださったり、いつも気にかけて下さったり、本当に本当に有り難く感謝の気持ちでいっぱいです。

良いお年をお迎えくださいませ。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。