父親が亡くなってから、自分の心の中にあるものを吐き出したくてそれを文章として本として残すことができたらと書き綴り始めたもの、それが「奨励賞」という結果になり、本としては残すことができなかったけれど私はあまりの嬉しさに涙が止まりませんでした。
新風舎という出版社の賞です。私の処女作というか...初めて「作品」と言えるもの。
この結果の封筒が到着したのが父の命日。この偶然に驚きながらも、父が私に与えてくれたものかもしれないとそう思いました。
つたない文章なのによくここまで辿り着いたなと、一次、二次....と通過の文字が印刷されたお手紙が届くたびに首をかしげながらも、鼓動が高鳴り、これで通知は最後だなと思いながらゴミ箱にポイ。最終選考通過のお手紙が届いた時はさすがに記念に取っておこうと思い、保管しておくことにしました。
そして「奨励賞」の通知です。
これは私の大切な宝物であり、娘から父への贈り物でもあり、父から娘への贈り物ともなったもの。
このことは私にとって一生忘れない出来事の一つとなり、始めの一歩として踏み出す勇気を与えてくれました。