刺繍作家のヒトリゴト

刺繍作家。オートクチュール刺繍で製作する刺繍アートの紹介、日々の出来事を綴っています。

ツタンカーメン展へ


昨日、「ツタンカーメン展」へ行ってきました。

そろそろ混雑も緩和されたかな...と思ってようやくです(笑)

10時半頃到着し、10分待ち程度でほっとしました。

それにしても...展示品の精密さ、デザインの美しさ、彩色の素晴らしさどれをとってもとても3000年前のものとは思えません。いつも思うことなのですが。

花弁装飾の容器などの模様の付け方、「サトアメン王女の椅子」の座面の編み込み方、肘掛け部分のカーブ、背部分の装飾、「折りたたみ椅子の模型」のデザイン、「ツタンカーメンの肘掛け椅子と足台」もモノトーンの幾何学模様、座面の座り心地の良さそうな丸みが素晴らしく、「ツタンカーメンの胸飾り」や「スカラベ付きブレスレット」の緻密な作り、今の時代でも作るのが大変です...。
スカラベ付きブレスレットは使用痕があり、実際ツタンカーメンが幼少の頃使用していたことがあると図録に書いてありました。

家具の数々、装飾品を身につけた王たちの生活を頭の中で想像し組み立てていくと...壮大な華やかなエジプト文明が浮かび上がってきて、私達が考えている、思っている以上の文明だったのではないかと思わされます。私達の概念、尺度で計ることができないものもあったり、違う解釈をしていたりするのもあるのではないかとも思います。


「ツタンカーメンの半身像」というのがあるのですが、王の装飾品、衣装などをかけておくマネキンとして用いられていた(図録より)というのも驚きです。

小さなゲーム盤、宝石箱、化粧箱...生活を楽しむ、彩るゆとりが感じられます。

「高脚付きチェスト」の下部分の装飾も金と黒のコントラストが目をひきます。

「ツタンカーメンの棺形カノポス容器」はツタンカーメンへの思いの丈が伝わってきて、震えてしまいました。


「金」に対する価値はいつの時代も揺るぎないもの...と実感ですね。


3000年前の時代に思いを馳せ...年を越したいと思います(笑)