昨年江ノ島を訪れた時、私の知っている景色、風景がそこにはありませんでした。
海岸沿いの建築物に違和感を覚え、胸が張り裂けそうでした。
そして今年はいつにも増して人が増え、観光地化していました。
ふと映画の「モスキートコースト」を思い出しました。
夏になれば人でにぎわい、秋冬になっていくと少しずつ寂しい表情になっていく海が好きだったのです。
茅ヶ崎でも稲村でも七里でもどこでも味わうことができるけれど、なぜだか江ノ島海岸は私の中ではちょっと違う存在でした(近くに住んでいたいわけではないのですが...)。
都会の街並みや夜景も好きですが、ないものねだりというか最近はとっても故郷が懐かしくてたまりません。
感受性を刺激する、自分の中の琴線に触れる景色、風景がそれだけ少なくなってきているのかもしれないです。
演劇や映画、小説、音楽では得られない物。
小田急江ノ島線江ノ島駅の改札を出て、134号線沿いに出ます。
ふっと右を向くと、いつの間にか私の知らない時間が流れ、あの頃の自分も存在しない現実を知らされます。
それをまざまざと見せつけられたことに耐えられなかったのかもしれません。